841 :名無しさん@涙目です。(新潟・東北):2011/07/14(木)
ちなみに朝鮮語もかなり発音やら文法やらが変化してるからな
例えばハングル開発当初、/@/という曖昧母音があったが、
/⊃/(英語のallの母音)になり、今のソウルでは/∧/(cutの母音)になりつつある
元々あった/∧/は原則的に/a/になり、/p/など一部の子音の隣では/ш/(日本語のウに近い)になった
/ai/、/@i/という連母音は、融合して/ε/(getの母音)と/e/になった
だから当初はパーツの組み合わせ通りに発音していた
そして今では/ε/と/e/の区別がなくなりつつあり、ソウルでは年寄りしか区別しない
子音でも、/z/や/β/といった子音があり、それを表すハングルのパーツもあったのが、
その子音が消滅・脱落したのでパーツも使われなくなったり、
/ni/という音節から/n/が脱落したりしている
また、ハングル開発時の朝鮮語にはアクセントがあり、
ハングルの左肩に高、低、昇を表す点の符合を付記していた
しかしソウルなど中央語ではアクセントが崩壊し、昇というアクセントの母音が長母音として残った
そして今のソウルではこの長母音も年寄りしか区別しない
朝鮮語も自然言語だから、様々な変化が歴史的に起こっている
その変化は日本語と比べても決して小さくない。むしろ激しい。
864 :名無しさん@涙目です。(新潟・東北):2011/07/14(木)
ハングルの面白い点として、「形態音韻論的表記」を採用していることがある。
例えば、/tak/という語があるとする。
これに、/i/という助詞が付くと、発音は[tagi]になる。
しかし、朝鮮語ではkとgは区別されず、周りにどういう音があるかによって交代する。
よって[k]と[g]という音声は、同じ「音素」の「異音」となり、/k/を表すパーツで書かれる。
また、直後に母音や鼻音で終わる語が付くと[-dak]となるが、これも表記は変わらない。
また、上記の/taki/という2音節の音配列を、ハングルはta-kiと表記しない。
tak-iと分けて、1文字目は/tak/というパーツを、2文字目は/○i/というパーツを配置する。
ここで特徴的なのは、子音がない(ゼロ子音)ことを表す○というパーツがあること。
そして、発音上は音節末の子音が次の母音と繋がっても、表記上は元の音節構造を保つこと。
さらに、単独では/tak/になるが、/i/が付くと/takhi/になる語や、
/tak'i/になる語があるような場合がある。
ここでkは平音と呼ばれるのに対し、khは息を強く出す激音という音、
k'は日本語の促音に近い濃音という音。
実は激音や濃音は音節末に現れない。これを、「音節末では平音と中和する」とみなす。
本来なら[takh][tak']になるはずが、音節末なので[tak]になってしまったということ。
このとき、/takh//tak'/という本来の形態を抽出し、単独でも常にそのように書く。
また、単独では/tak/だが/i/が付くと[talgi]になるような場合がある。
これは本来/tark/で、音節末の二重子音が許されないために単独では[tak]になっていて、
母音が付くことで本来の二重子音が両方現れたとみなす。
そして、左上に/t/を、右上に/a/を、左下に/r/を、右下に/k/を表す文字を配置する。
このように、単独では同じ[tak]になる語でも、他の環境で現れる形によって、
/tak//takh//tak'//tark/など様々な形態を抽出し、それを表すハングルで表記する。
そして発音の変化は、ハングルの読み方の規則として吸収させ、表記は常に一定にする。
言語学的にも非常に高度で、これを15世紀半ばに開発したのは驚異的。
880 :名無しさん@涙目です。(新潟・東北):2011/07/14(木)
ハングルは日本統治以前にはほとんど普及しておらず、
廃れていたのを日本人が発掘して教育により普及させたという言説がある。
これは完全に間違っているわけではないが、大いに誤解を招く。
19世紀末、ハングルを読み書きできる人がさほど多くなかったのは事実だが、
それは識字率自体が低かったということだ。
字を読み書きできる階層の人を見れば、ハングルはかなりの重要な地位を占めていた。
ハングル開発後、漢字と漢文を重んじる勢力からの強い反発があったことや、
ハングルによる朝鮮語文が、漢字による漢文(古典中国語文)が持っていた
公文章などの公的な用法を奪えなかったのは事実だ。
しかし、ハングル開発後の15世紀半ばには、ハングル表記の朝鮮語の散文が多数出版され、
その後も持続的にハングル表記の朝鮮語の出版物が刊行されていく。
庶民の中で読み書きができる者はそのような出版物を読んでおり、
読み書きができる庶民の中ではハングル表記の書物がむしろ主流の地位にあった。
また、漢字漢文を重んじる官僚などの人々にも、ハングルは書かせなかった。
ハングルは朝鮮漢字音の発音自体を音素の単位まで明示することに成功した。
朝鮮漢字音の性質に対応して、漢字1文字の発音を常に1文字で表すことができた。
これがどれほど画期的かは、漢字の本場、中国の状況を見れば分かる。
中国で漢字の発音を表すのに長らく用いられてきたのは「反切」という方法だ。
これは、「東」という漢字の音を、「単」という漢字の頭子音と、
「紅」という漢字の母音+末子音の組み合わせとして表すような間接的な方法で、
発音自体を直接表す方法ができたのは、20世紀の注音符号やピンインを待たなければならない。
ここからも、15世紀半ばに頭子音、母音、末子音をそれぞれ明示できたハングルの先進性が分かる。
このような利点から、漢字派にとってもハングルの学習は不可欠だった。








